UDI-DI(1)・・UDI-DI で登録する項目概要

Basic UDI-DI が無事登録できた場合は、各デバイスデータの登録に進むことができるようになります。UDI-DIのデータ項目は大きく分類すると、以下の7つから構成されています。

  1. Identification・・・UDI-DI、SRN番号、Basic UDI-DI、デバイスタイプ、デバイスステータス などの基本情報
  2. Device information・・・再利用の可否、クリニカルサイズ、保管・使用条件 など
  3. Classification・・・EMDN(European Medical Device Nomenclature、欧州医療機器名称)コード
  4. Market info・・・販売国情報
  5. Product designer・・製品デザイン会社情報
  6. Referenced device・・・関連デバイス(レガシー、新規則とも登録した場合)情報
  7. Package item・・・階層構造情報

UDI-DIのデータは、全部で70個以上の項目について登録を求められています。

その中で、登録後の更新が「可能」・「不可」と定義されている項目が混在しているため、登録の際には注意が必要です。

また更新可能な項目の場合でも、空白(NULL値=No Value)で登録された場合のみしか更新(変更追加)できない項目も多数あります。

アトリファイ UDI Manager のMDR製品検索画面の例
この投稿をシェア

 

◆UDI-DI 関連投稿はこちらからどうぞ◆

UDI-DI(2) ・・・ マーケット(市場)情報について

UDI-DI(3) ・・・ EMDNコードについて

UDI-DI(4) ・・・ パッケージ情報について

UDI-DI(5) ・・・ 使用単位のDIコード

UDI-DI(2)・・マーケット情報

MDR/IVDR/レガシーに関わらず、下記のEU加盟国(準加盟等含む)市場で流通する(将来流通される予定も含む)デバイスは、EUDAMEDへの登録対象となります。マーケット情報を入力するには、FLD-UDID-130(Device Status Code)を、「ON_THE_MARKET」として登録します。その場合は、FLD-UDID-137 (Member State of the placing on the EU market of the device)が必須となるため、EU内最初の出荷国(または輸出国)を設定します。「Member State of the placing on the EU market」についての厳密な定義はありませんが、市場流通させていると考えるべきなので、仮に製品を販売していない物流拠点の国が出荷先国の場合は、その先にある、最初の販売国(市場で流通している国)を登録するべきです。また、初回出荷(最初の輸出)が並行して同時期に複数国に出荷された場合は、その中の1国を代表国として記載し、他国は、併売国としてマーケット情報欄に登録します。

マーケット情報設定は、FLD-UDID-137(国名[国コード]:必須)、FLD-UDID-250(開始日:任意)、FLD-UDID-251(終了日:任意)を設定します。流通している国が複数ある場合は、Class Occurrence(項目グループの発生定義)が0..n(任意で繰り返し可) と定義されているマーケット情報関連グループ(FLD-UDID-252(国名[国コード]:必須)、FLD-UDID-250(開始日:任意)、FLD-UDID-251(終了日:任意)を利用することで、複数国の設定が可能となります。

FLD-UDID-137/252(国名[国コード])は、2022年6月現在で、下記の国から選択できます。下記リストに存在しない欧州域内の国・地域(イギリス(北アイルランド以外)、スイス、アルバニア、ウクライナ、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、モルドバ、モンテネグロ、北マケドニアなど)に出荷している場合は登録できません(現時点で必要ありませんが、今後、それらの国々がEUに加盟(準加盟)した際は追加となる場合があります)。

英語国名(ABC順)国コード日本語国名
Austria[AT]オーストリア
Belgium[BE]ベルギー
Bulgaria[BG]ブルガリア
Croatia[HR]クロアチア
Cyprus[CY]キプロス
Czech Republic[CZ]チェコ
Denmark[DK]デンマーク
Estonia[EE]エストニア
Finland[FI]フィンランド
France[FR]フランス
Germany[DE]ドイツ
Greece[GR]ギリシャ
Hungary[HU]ハンガリー
Ireland[IE]アイルランド
Iceland[IS]アイスランド
Italy[IT]イタリア
Latvia[LV]ラトビア
Liechtenstein[LI]リヒテンシュタイン
Lithuania[LT]リトアニア
Luxembourg[LU]ルクセンブルク
Malta[MT]マルタ
Netherlands[NL]オランダ
Norway[NO]ノルウェー
Poland[PL]ポーランド
Portugal[PT]ポルトガル
Romania[RO]ルーマニア
Slovakia[SK]スロバキア
Slovenia[SI]スロベニア
Spain[ES]スペイン
Sweden[SE]スウェーデン
Turkey[TR]トルコ
United Kingdom
(Northern Ireland only)
[XI]イギリス
(北アイルランドのみ)
EUDAMEDに登録が必要な市場国(登録デバイスの流通先)
この投稿をシェア

 

◆UDI-DI 関連投稿はこちらからどうぞ◆

UDI-DI(1) ・・・ UDI-DI で登録する項目概要

UDI-DI(3) ・・・ EMDNコードについて

UDI-DI(4) ・・・ パッケージ情報について

UDI-DI(5) ・・・ 使用単位のDIコード

UDI-DI(3)・・EMDNコード

EUDAMEDでは、Nomenclature Code(FLD-UDID-149)が必須項目として指定されています。この項目には、EMDN(European Medical Device Nomenclature、欧州医療機器名称)コードを入力します。EMDNコードには、CATEGORY(E、I、O、X除くAからZ)、LEVEL(1-7)に対して、1対1でコードが割り振られています。

CATE
GORY
CATEGORY
DESCRIPTION
LEVELEMDN CODEEMDN CODE DESCRIPTION
GGASTROINTESTINAL DEVICES6G0301010102OESOPHAGEAL BALLOON CATHETERS, HIGH PRESSURE
HSUTURE DEVICES7H010202020401TITANIUM MULTIFILAMENT WITH NEEDLE
K ENDOTHERAPY AND ELECTROSURGICAL DEVICES4K010301SPINAL PERCUTANEOUS PLASTIC DEVICES WITH BALLOON
EMDN CODE の一例

EUDAMEDで登録するEMDNコードは、LEVELが最下層になっているもののみ登録できます。上記のEMDNコード「G0301010102:OESOPHAGEAL BALLOON CATHETERS, HIGH PRESSURE」を例とすると、その階層構造は、

CATE
GORY
CATEGORY
DESCRIPTION
LEVELEMDN CODEEMDN CODE DESCRIPTION
GGASTROINTESTINAL DEVICES1GGASTROINTESTINAL DEVICES
GGASTROINTESTINAL DEVICES2G03GASTROINTESTINAL ENDOSCOPY DEVICES
GGASTROINTESTINAL DEVICES3G0301DEVICES FOR DILATION IN DIGESTIVE ENDOSCOPY
GGASTROINTESTINAL DEVICES4G030101GASTROINTESTINAL ENDOSCOPY, BALLOON CATHETERS
GGASTROINTESTINAL DEVICES5G03010101OESOPHAGEAL BALLOON CATHETERS
GGASTROINTESTINAL DEVICES6G0301010102OESOPHAGEAL BALLOON CATHETERS, HIGH PRESSURE
EMDNコード「G0301010102」の階層例

のように定義されています。

EUDAMEDへは最下層として定義されているLEVEL6:OESOPHAGEAL BALLOON CATHETERS, HIGH PRESSURE を登録します。上位階層での登録はできません。登録に際し、自社製品のEMDNコードが何であるのかを、改めて整理、確認されておくことをお薦めします。

この投稿をシェア

 

◆UDI-DI 関連投稿はこちらからどうぞ◆

UDI-DI(1) ・・・ UDI-DI で登録する項目概要

UDI-DI(2) ・・・ マーケット情報

UDI-DI(4) ・・・ パッケージ情報について

UDI-DI(5) ・・・ 使用単位のDIコード

UDI-DI(4)・・パッケージ情報

MDR/IVDR認証を受けたデバイスは、Primary DI(シングル・ユニット)としてEUDAMEDに登録します。一方で、流通形態(販売、物流など)は、シングル・ユニット単位のものもあれば、パック/ケース/パレット/コンテナなどシングル・ユニットのデバイスを複数でパッキングして取り扱うことも多いと思います。梱包品についてはGTIN等の製品識別コードを付ける/付けないの判断は、製造事業者側に委ねられていますが、現在では、多くの事業者が、流通形態の製品にも製品識別コードを付けていると思います。EUDAMEDでは、それらの流通形態の製品を階層品としてUDI-DI(多くの場合がGTIN)を紐づけて登録できます。階層構造の登録は、EUDAMED上は任意です。

GS1 ヘルスケア GTIN 設定ルール は、GS1ジャパンの日本語資料がございます。詳細はそちらでご確認いただけます。

EUDAMEDのパッケージ情報を登録する上での注意事項としては、

  1. パッケージ階層を登録できるのはMDR/IVDR 品のみで、レガシー(MDD/IVDD/AIMDD)品では登録できません。
  2. デバイスのPrimary DI(シングル・ユニット)が同一であることから、「Basic UDI-DI(FLD-UDID-145)」は同一のものとして登録します。
  3. 3階層以上(シングル・ユニット>パック(2階層目)>ケース(3階層目)>パレット(4階層目)・・・)の場合もそれぞれを親子として繰り返しで登録します。
  4. 「Package UDI-DI(FLD-UDID-120)」には、親階層のUDI-DIを指定し、「Related Package(FLD-UDID-124)」に子階層のUDI-DIを指定します。シングル・ユニットとケースの2階層構造品の場合は、FLD-UDID-120にケースのUDI-DI、FLD-UDID-124にシングル・ユニットのUDI-DIを指定し、入数「Quantity of Item(s) (FLD-UDID-121)」には、FLD-UDID-124のUDI-DIの入数を指定します。
  5. 階層構造のリンク情報は、UDI-DIを登録する時、または、後から階層構造のみを別途登録できます。(階層製品をUDI-DIとして登録する必要はありません)
パッケージ階層構造とBasic UDI-DIの関係イメージ
この投稿をシェア

 

◆UDI-DI 関連投稿はこちらからどうぞ◆

UDI-DI(1) ・・・ UDI-DI で登録する項目概要

UDI-DI(2) ・・・ マーケット(市場)情報について

UDI-DI(3) ・・・ EMDNコードについて

UDI-DI(5) ・・・ 使用単位のDIコード